主体性がない若手社員に悩む前に。“守体性”から“主体性”へ導くという視点

主体性がない若手社員に悩む前に。“守体性”から“主体性”へ導くという視点

「最近の若手は、主体性がない」

研修現場で何度も聞く言葉です。
でもそのたびに、こう問いかけたくなります。

「そもそも主体性って、いきなり育つものなんでしょうか?」

僕はそうは思いません。
むしろ最初は“守体性”でもいい。
でも、そこから“主体性”へ導いていく関わり方が、今の時代には必要です


■ 守体性とは?(※片野語録)

“守体性”という言葉は、僕が研修現場で生み出した造語です。
片野語録のひとつであり、これからも使い続けていくキーワードでもあります。

意味としては、
**「与えられた仕事を、失敗なく、きちんとこなすことを最優先にする姿勢」**のこと。


こんな行動に表れます:
• 指示されたことはやるが、自分から提案はしない
• 「前例がないから」「そう言われていないから」と動かない
• ミスをしないこと、怒られないことが行動のゴールになっている
• 言われたことだけやって、「やりました」と言い切って終わる
• そもそも“自分で考える”という意識が薄くなっている
• 上司の目を気にして、正解探しに走る
• 仕事=タスク処理 としてとらえている
• 成果よりも「指示通りやったかどうか」が評価軸になっている


いわば、**“動かないことで安全を確保する働き方”**です。
けっして怠けているわけではなく、真面目な人ほどハマりやすい。

だからこそ、“守体性”の存在に気づかず、放置されやすいんです。

■ 主体性とは?
• 「自分で考える」
• 「自分で決める」
• 「自分で動く」

自分の中に意思や問いがある状態。
行動の起点が“自分”にあるかどうか、が大きな違いです。


■ 守体性が悪いわけではない

大切なのは、「そのままにしない」こと。
最初は守体性でも、そこから“自分で考える”感覚を育てていく必要があります。

そして、これは若手だけの話ではありません。

• ミスを恐れて自分の意見を出さない中堅社員
• 指示通りの仕事に慣れきってしまったベテラン
• 方針を示すより、現場に任せきりの管理職

実は、どの世代にも“守体性”は存在しています。

だからこそ、“主体性”は全世代に必要なテーマなのです。


■ 僕が現場で意識していること
• 正解を求めすぎない空気をつくる
• ワークで「考える時間」と「口に出す体験」を与える
• 「自分ならどうする?」という問いを投げる
• 小さな行動から「自分で決めた」を実感してもらう

■ 印象的な変化
•JAの若手が、翌日から新しい提案を始めた
• 「言われた通り」から「もっと良くしたい」へ変わった
• 退職寸前の社員が「もう一度ここでやってみたい」と言い出した

主体性は、一度スイッチが入れば、世代や立場に関係なく芽を出します。
だからこそ、関わり方が大事なんです。


■ 最後に

守体性を“否定”するのではなく、
そこから主体性へ導ける人が増えること。
それが、働く大人を元気にする鍵だと思っています。

誰かのスイッチを押すこと。
それが、僕の仕事です。

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